ぶちノート

数学とか物理とか好き。ゆっくりやっています。

オイラーの公式(指数法則)

1. 複素数と変換

複素数  x+iy=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) は、以下の  2 通りに解釈できる。

  • 平面を実軸方向へ  x、虚軸方向へ  y だけ平行移動させる数
  • 原点を中心として平面を  r 倍に伸縮させ、 \theta だけ回転させる数

2. 指数法則

関数  f について、指数法則  f(X+Y)=f(X)\times(Y) が成り立つとする。

  • 関数  f の入力が複素数  x+iy のとき、 f(x+iy)=f(x) \times f(iy) となる。
  •  x は実数であるから  f(x) も実数となる。すなわち原点を中心として平面を「 f(x) 倍に伸縮させる数」である。
  •  f(x+iy) は一般に複素数となるため、平面上の任意の点となる。すなわち原点を中心として平面を「伸縮・回転させる数」である。

以上のことから、 f(iy) は原点を中心として平面を「 f(iy) だけ回転させる数」であることが分かる。

3. まとめ

問題:指数法則が成り立つ関数  f について、  f(x+iy) はどのような数か。

  • 指数法則より、 f(x+iy)=f(x) \times f(iy) である。
  •  f(x+iy) は、原点を中心として平面を「伸縮・回転させる数」である。
  •  f(x) は、原点を中心として平面を「 f(x) 倍に伸縮させる数」である。

以上  3 点より、 f(iy) は原点を中心として平面を「 f(iy) だけ回転させる数」である。

答え: f(x+iy) は、原点を中心として平面を「 f(x) 倍に伸縮させ、 f(iy) だけ回転させる数」である。

4. 群同型

たし算( +)とかけ算( \times)を同じ種類の演算( \circ)と考えると、指数関数は「演算を保存する」と考えられる。

 f(X \circ Y)=f(X) \circ f(Y)

または

 X \circ Y = Z のとき、 f(X) \circ f(Y) = f(Z)

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